2017年2月27日月曜日

スバル EJ20 タイミングベルト交換

スバルの水平対向エンジン、EJ20ツインカムのタイミングベルト交換です。

スバルのEJ型エンジン、すごい長い期間スバルの第一線で活躍してるエンジンです。
初代レガシィからなので、27~8年?
いろいろな仕様変更はありますが、こんなに長期間使われるエンジンもそうそうないですよね。

なので、タイミングベルト交換に携わる機会も多いので、エンジンが作られた年代によって細かい違いはありますが、基本は一緒なので、どの順番でどの工具を使用してどこのボルトは外すとか、何も考えなくても体が覚えてます(笑)

今回はフォレスターSG5。
クーラントを抜いて、ラジエーターを外します。
そして、クランクプーリーを外します。

普通のサイズのインパクトはギリギリ入るか入らないかの場合が多く、入ってもボルト緩んだらインパクトが抜けないとかエアコンのコンデンサに傷つけてしまったりするので、このサイズのインパクトが重宝してます。

カバーを外して、スプロケットの合いマークを合わせて、ベルトを外します。


写真の角度が違いますが、向かって左下のアイドラプーリーを外すとベルトはすんなり外れます。
ラジエーターが外れてから、ウォーターポンプが外れるまでは20分ほどでしょうか。
タイミングベルト交換の難易度は低い部類の車ですね。
ちなみに、タイミングベルトの合いマークが合う位置は一般的な1番圧縮上死点ではありません。

タイミングベルトにもマークがついてるので、ベルトとスプロケットと合わせるだけでいいので楽ちんです。
ただ、左バンク(助手席側)のスプロケットがちょっとでもズレるとバルブスプリングの力でグルンと回ってしまい、位置がずれてイライラしますが・・・。
クランクからベルトをかけて行き、助手席側のインテーク、エキゾースト、運転席側のインテーク、エキゾーストの順番でかけます。


こうやって事務用品のクリップを利用すると楽です。



この状態にしたら、最後にクランク左下のプーリーを取り付けると楽です。

オートテンショナーのピンを抜く前からベルトはかなりの張力なので、プーリーを全部つけてからベルトをかけてくにはかなりの力と強引さが必要になります。
その中で合いマークを合わせるとか難易度高いです。

あとは元通りに戻して、クーラント入れてエア抜きすれば終了ですね。

このエンジンのタイミングベルト交換にかかる時間のほとんどははクーラント抜くのと入れてエア抜きな気がします(笑)

そして、この作業から3日後にレガシィBH5のタイミングベルト交換。



2回目のタイミングベルト交換でしたが、合いマークを合わせると奇跡的にベルトとスプロケットのマークが合いました。
珍しいです。
この年代は、各スプロケットにベルトガイドがついてるのと、ウォーターポンプに接続されるホースが1本多いのが少し手間です。


この状態まで15分強。

やっぱりクーラントの抜くのとエア抜きが時間かかります。

2017年2月24日金曜日

RB20DET ファーストアイドルが低い

平成初期のころのRB20DET、エンジン冷えてる時に回転数が低いという症状で入庫。
外気温が氷点下、水温も氷点下だと思われる状況でエンジンかけた直後の回転数は約900rpm。

もし間違ってエンストでもしたらプラグかぶっちゃいますよね・・・。

ってことで、症状確認できたので原因を調べます。
アイドリングの回転数を電子制御するバルブ、一般的にはISCVと言われますが、日産だとAACバルブという名称ですが、AACバルブの動作は問題なく、エアレギュレーターの動作を確認です。
インマニへつながってるホースをプライヤーやラジオペンチで繋いで強制的に空気の通路をふさいでアイドリングの回転数に変化があるかどうかで判断できます。

日産系はエアレギュレーターという名称ですが、トヨタ系だとエアバルブです。
ISCVの制御だけだと冷間時に回転を上げるための吸入空気量が追い付かないので補助するための部品です。
80年代とかに設計されたエンジンは単体でついてるエンジンも多いですね。
一般的なのはスロットルボディと一緒になってるものですね。
クーラントの温度でバイメタルを動かして水温によって吸入空気量を変えてるタイプがほとんどですがRB20は電気式です。

RB20DETはスロットルの後ろ側のインマニのところにボルト2本で固定されてます。
ボルト2本、ホース2本、配線は2極のカプラーが1個です。



スロットルボディなどを外さないで作業しましたが、スロットルボディかサージタンクを取り外せばスペースができて作業が格段に楽になります。



今回は硬くなったホースもついでに一緒に交換します。
ホースの価格は数百円なので、同時交換をお勧めします。
硬くなって、抜こうと思ったら割れたというのはよくあります。

スロットルボディの下のサージタンクへ接続されてるところのホースバンドに苦労すると思います。
スロットルかサージタンクを外したくなりましたが、ガスケット取り寄せてなかったので、頑張りました(笑)
スロットルもサージタンクも紙のガスケットなので、外すときに破けますので・・・。




無事交換完了。

ファーストアイドルの回転数を確認したら、1400rpmくらいだったので、不具合はコイツで間違いなしでした。

もっとISCVの容量増やせば機械的に空気量を増やす装置必要ないんじゃないか?って若いころ思ってましたが、フルコンでISCVの制御を経験したことある方はわかっていただける方も多いかと思いますが、アイドリング回転数の制御ってかなり奥深くて大変なんです。
ハンチングしたり、目標回転数にならなかったり、ソレノイドの作動音や吸気音などが気になったり・・・。
容量が増えると制御もきめ細かくしないといけないということで、当時の技術では、機械的に空気量を増やすしかなかったんでしょうね・・・。

電子スロットルが主流になってるので、ISCVやエアバルブ(レギュレーター)は使われなくなってますが、電子スロットルのある程度距離走った車はスロットルバルブの周りに汚れが付着して、エンストするとかファーストアイドルが低いとかいう症状をよく見かけます。
スロットルバルブの清掃作業することも多いです。

バッテリー交換しただけなのに、作業するのにバッテリーのマイナス端子を外してしまったがためにECU学習するまで待つならスロットル清掃してしまえパターンも多いです。
日産車は診断機つないでTAS学習というスロットルの学習しないとアイドリングの回転数がおかしくなることが多いですが、スロットル汚れてると何度やってもエラーになって学習できないんですよね・・・。

バッテリー交換ならバックアップ電源で回避できたりしますが、オルタネーターやセルモーターを外すような作業はさすがにマイナス端子を外さないと怖くてできないですよね。

2017年2月23日木曜日

ランクル70 排気漏れ修理

車検で入庫の70系のランクル、リヤマフラーとセンターパイプから排気漏れがあり、車検に通らないので、お客さんと打ち合わせて新品交換にすることになりました。

20年以上前のランクル、エンジンは2L、2.4リッターのターボのモデルなのですが、普通に部品屋さんへ注文すると、センターパイプは在庫あったのですが、リヤマフラーが生産廃止!!
まぢかっ!?ってなりましたが、ないものは仕方ありません。

修理するしか選択肢はなくなりました。

排気漏れてなくて車検通ればいいんだくらいの溶接修理は、スペースがあればマフラーを取り外さず半自動溶接でチャチャッと直すのですが、新品も中古品もないので、耐久性のある修理をしなくてはと思い、マフラーを外します。

いろんなところに引っかかって抜けてこないので、重たい純正マフラーを知恵の輪するよりも、邪魔になりそうなものを外します。
リヤのプロペラシャフト、ラテラルロッドのフレーム側のボルトを取り外し、マフラーを抜きます。


いつもなら当て板を溶接して塞ぎますが、今回は、耐久性を持たせるため、マフラー製作に使う曲げパイプを使います。

曲げパイプを長さ合わせて切ってからこんな感じに2分割し、挟み込むことにしました。
錆びてる部分を切り落として新しいパイプを溶接も考えましたが、この重たいマフラーを何度も外したりつけたりして位置合わせをすることを考えたら効率的ではないのと、結局ほとんど作り直しになることが想定されたので最低限です。


TIG溶接でつけて終了です。
ステンレスになったので、ここの部分の耐久性はバッチリです。
今回はあまり溶接が美しくなかったので、写真はこれくらいで・・・(笑)

次はセンターパイプです。
つい最近も同じ作業をしたので、何も考えずにミッションにジャッキをかけて、ミッションマウントのボルトは外してミッションを下げます。

が、抜けません。
先日の作業はHZJ77のロングでしたが、ミッションを下げて、ミッション側へ引き抜いて取り外したのですが、今回はLJ71のショート。
ミッション側に抜ける気がしません。
ネットでHZJ77のセンターパイプの写真を検索して確認すると、フレームの外側曲がりからフランジまでの長さがショートの方が長いようです。
右リヤのタイヤの前の方へ抜けそうなのですが、サイドステップが微妙に邪魔して抜けてきません。

ボルトが折れそうだったので、触りたくありませんでしたが、どう考えてもサイドステップのブラケットを外せば抜けそうだったので、外します。
ボルトは抵抗感なく折れました(笑)
が、センターパイプは無事に抜けました。




フランジのところからの排気漏れでした。

センターパイプを取り付ける前に、折れたボルトの修正。

そして、元通りに組み付けて終了。

車検にも無事合格しました。

2017年2月13日月曜日

ゼロクラウン フロントドライブシャフトブーツ交換

車検で入庫したクラウン、20万キロオーバーでしたが、最低限でとの依頼だったので、車検に通らない箇所だけの修理です。
オイル漏れとか、消耗品の摩耗とかは目をつぶります。
お客さん的にはありがたい、依頼された修理工場的には儲からない車検ですね(笑)

通称ゼロクラウン、18系のクラウンの4WD、GRS183です。
点検した結果、フロントのドライブシャフトブーツのインナーの破れを発見しました。

部品屋さんへ電話して、作業が楽な分割タイプを注文。
折り返し電話があり、分割タイプは設定がないとのこと。
直さないとどう頑張っても車検は通らないので、通常のブーツを注文です。
足回りばらしてドライブシャフト脱着決定です。

テンション下がりながら作業します(笑)
ナックルから外すのに苦労するABSの車輪センサー、センサーのところでカプラーになってるのはありがたいですよね。

配線たどって、フェンダーライナーの中やエンジンルームのカプラーを探す手間が減ります。
リヤなら、リヤの内張をばらさないと行けなかったりしますからね。

キャリパー、ローターを外し、ハブのロックナットをインパクトで緩めて、タイロッドエンド、アッパーアームのジョイント、ロアジョイントを外してナックルごと外しちゃいます。
大した手間じゃないので、外しちゃった方がスペースできていいかな的な感じです。


デフから抜けずにジョイントだけ抜けてきました。

ホンダ車みたいにインナージョイントが抜けないようなCリング使用してないようです。

ホンダ車は、初代ステップワゴンやSMXの全盛期の頃、ダウンサス交換でよくジョイントを抜いて、上司にバレないようにこそっとシャフト抜いて直して何もなかったようにした記憶がよみがえります(笑)




バラバラになりました。




キレイにして、新しいブーツを組み付けます。
今回は、ブーツバンドが純正ではなく、汎用のものが使われたので2回目の交換だったんでしょうね。

汎用のドライブシャフトブーツのブーツバン後使用するときは、意外と気にする人少ないですが、前進するときのシャフトの回転方向とバンドの向きを合わせないと、これでもかってくらいきつく締めつけても、ゆるんだりします。
分割タイプのブーツの説明書には書いてたりしてますよね。

今回も回転方向と逆向きの取り付けられておりました。


アウターブーツのバンドが、ネジ式のホースバンドだったので、ドライブシャフト用のバンドに交換して組み付けします。



ハブのロックナット、再利用する方も多いと思いますが、社外品の設定もあり、200円弱と高くない部品なので再利用はせずに交換をおすすめします。

規定トルクで締め付けたら、マイナスドライバーとハンマーでカシメて終了です。

この車、インナーブーツの分割タイプの設定があったとして、ドライブシャフトの脱着が容易にできるので、狭いスペースで飛び散ったグリスで手を汚しながら作業するよりも、工賃もそれなりにいただけるし、いいかも(笑)

車検は無事一発合格でした。

2017年2月2日木曜日

ステップワゴン スライドドアが開かない

RG型のステップワゴンが電動スライドドアが開かないとのことで入庫しました。

よくあるモーターやワイヤーのトラブルかと思い、症状を確認すると、3分の1くらい開いてから、ブザーが鳴って閉まってしまいます。
珍しい症状だったので、電動を解除して、手動でも試してみます。

手動でも同じくらいしか開きません。
よく観察すると、下のレールの部分に爪が起きてます。

ドアのヒンジが当たって開かなくなります。

爪を手で押し付けて開けると全部開きます。

原因はこれかととりあえず、ウェザーストリップをはがしてみます。


ワイヤーがつながってて、ワイヤーがリヤの内張りの中へ入って行ってるので、何も考えずに、サードシートを外して内張りを外します。

ワイヤーは給油口の方へつながっております。
とりあえず、給油口側を外してみました。

写真の中央左側の黒い筒状のものが給油口側へ差し込んでありました。
真ん中の突起を押すとスライドドアの謎のストッパーの爪が引っ込みます。

給油中などの給油口の蓋が空いてる時にスライドドアが開いてぶつかるのを防ぐ安全装置でした。

普通に動いてるのに、なんで?と思い観察すると、一か所折れてました。

















何で折れたのがわかりませんが、角度によってはちゃんとワイヤーに力が伝わって正常な動作をしたり、ワイヤーが動かなかったりしたので、部品交換です。

部品交換して、無事直りました。

今回は助手席側でしたが、お客さんから運転席側もなったらいやだから一緒に交換してと言われましたが、給油口の蓋が開いてる時の安全装置で、運転席側には給油口はついてないから、この装置もついてないので、今回みたいなトラブルは大丈夫ですよって言ったら、納得されて笑っておられました。