2016年12月21日水曜日

コルト セルモーターが回ったり回らなかったり・・・

車検で入庫のコルト、動かそうとしたらセルモーターが回らない。
うんともすんとも言わない・・・。

マジか?!って思いながらカギを何度か回しなおすと普通にエンジン始動。
こんな症状なら最初っから言ってよびっくりするでしょ(笑)

走行距離は6万キロ弱。
普通に考えればこれくらいの走行距離でセルモーター壊れないよなぁ・・・なんて思いながら、症状を確認。
一般的なセルモーターの故障の場合、S端子に電気が流れてピニオンギヤが飛び出したことによりセルモーター内の接点経由で大電流が流れてセルモーターが回る仕組みなので、ピニオンギヤが飛び出すけど回らないという症状が多いですね。
その場合、エンジンルームからカチンと音が出て、メーター内の警告灯やルームランプが暗くなり電力他の物に食われてる感で何となく判断が付きます。

が、今回はそんな感じがないので、スターターリレー、キースイッチ、インヒビタースイッチ、配線やカプラーの接触不良などが考えられますが、まずセルモーターのS端子にちゃんと12V来てるのか確認からです。
一人じゃできません(笑)
誰かにカギを回してもらわないと、怪物くんのような長い手がないと無理です。

どうしようかと思ってるときの来客。
全然この車に関係ないお客様に手伝っていただき、カギを回してもらって、テスターで電圧を確認します。
セルモーターが回らないときは電気は流れず、回るときは電気は流れます。
セルモーター本体の不良の選択肢は消えました。

インヒビタースイッチは、メーター内のインジケーターのランプが正常に光ってるのと、PでもNでも症状変わらなかったので、原因としては考えづらい。

S端子の電圧確認した時に、端子とカプラーを清掃し接点復活剤を吹きかけ、接触不良の可能性を1か所だけつぶしました。

残るはキースイッチかスターターリレー。
配線図を取り寄せないとリレーを介してるのか、リレーを介した回路だとして、どこにリレーがあるのかわからないのと、リレーの不良で動いたり動かなかったりってのもあまりないなぁ・・・動かないか動きっぱなしかだよなと思い、ほぼキースイッチで間違いないだろうとお客様へ「原因は9割方スイッチだと思いますが、部品代が¥2150(税別)なので、ダメ元で交換してみませんか?」的な提案をして交換することになりました。

車検整備に関しては、最低限で車検に通ればいいとのことだったので、点検し、予防整備も油脂類消耗品の交換も一切なしで、リヤのドラムブレーキのシュー調整と折れてたスタビリンク交換のみ。



三菱の軽自動車やコンパクトカーなど、このタイプのスタビリンクを使ってる車は結構な確率で折れてます。
設計が欠陥だったんじゃないかと思うくらい折れてます。
折れてるだけならいいのですが、ボルトがすんなり回らず折れる、ボルトとブッシュの芯と錆びて同化して外れない、切ろうにもサンダーが入らず、エアソーしか使えないなどなどで小一時間かかります。

キースイッチの入荷前に車検持ち込みに運輸支局へ行きました。

外観検査や下廻り検査でエンジン止めるので、かからなくて少し焦りました。

車検は無事一発合格で戻ってキースイッチ交換です。

本来ならキーシリンダーを外して交換なのですが、昔からセキュリティの都合でキーシリンダーを取り外すときは、ボルトを切り落として、取り付けるときは専用のボルトを折れるまで締めて固定なのです。
普通に外れるだろうと軽い気持ちで、キーシリンダー固定用のボルトは取り寄せてなかったので、スイッチが引っかかってすんなり外れてきませんが、意地でも外さなくてはいけません(笑)

シフトレバーが邪魔です。
シフトレバーの根元のボルト類を外して少し動かないかなって思ったけど、動きません。
男たるもの、こういう時は強引さも必要です(笑)
若干無理やり気味に外し、無理やり気味に入れて、ビス一本締めてカプラー接続し、コラムカバーを戻せば終了です。



交換後は百発百中な勢いでエンジン始動できますが、確信が欲しかったので、スイッチを分解してみます。




親切にどこが何の接点か書いてあったので、わかりやすいですね。
セルモーターを回すのに使うのはビス穴のところの2つ接点です。





接点焼けて黒くなってますね。

原因はこれで間違いなさそうです。

2000年代の走行距離一桁万キロの車でキースイッチの接点不良とか、昭和かっ?!って突っ込みたくなりますね(笑)


2016年12月18日日曜日

北国のマフラー交換は過酷なんです

マフラー交換といえば、DIYする人もいたり、そんなに難しい作業じゃないイメージを持つ人は少なくないと思います。
車種にもよりますが、ボルトやナット数個と吊りゴムで外れます。

文字で書くとこれまでで、一般的な工賃も¥5000前後が相場でしょうか?

ただ、北国の車のマフラーはボルトナットが簡単に外れる車は少ないです。
錆の少ない新しめの車にアフターパーツのマフラーを取り付ける場合なら割とすんなり外れることが多いです。

が、さびて排気漏れして修理やマフラー交換となると、ボルトナットも錆がひどいんです。
ボルトナットの六角部はさびてやせ細り、露出してるボルトのネジ部はネジ山っぽいのあるね・・・みたいな感じです。

融雪剤の影響でサスペンションのスプリングが折れるくらいですからね・・・。

今回もすんなり外れず、最初の1つ目はガスで炙ってナットを真っ赤に熱して外れました。
ナット側を熱膨張させてネジ部にクリアランスを作ってあげて緩める仕組みです。
本来14mmのソケットを使うナットに13mmのソケットを叩き込んで回しました。

2つ目、ナットが錆で瘦せすぎてて、13mmのソケットでも回せないくらいでした。
こういう場合は、トルネードソケットを使うのですが、ディープのトルネードソケットって売ってないので、ボルトが余分に飛び出してるナットには使えないんですよね。

炙って真っ赤にしてから回すのですが、痩せたナットだとバイスプライヤーでナットをつかんで回すと、ナットが変形して回らなくなるので、削ります。

対角線上にネジ山ギリギリまで削って叩き割ります。
ナットスプリッターなるナットを割る工具もありますが、車に使用されてるナットのほとんどはフランジ付きの形状なので、割れないんですよね。



ボルト折っちゃうと、穴あけて古いボルトをエキストラクターで取り出して新しいボルトナットで・・・ってなりますが、サビやネジ山が噛んで折れたボルトはエキストラクターでは回らず、エキストラクターが折れます。
エキストラクターの材質は固いので、折れたら厄介です。

そういうリカバリーに時間を消費するなら、多少時間かかってもボルトが折れないように外した方がいいと思ってます。
通しボルトなら折るか片側をサンダーで切り落とせば済むので楽なんですけどね・・・。

すんなり外れれば10~20分で終わるマフラー交換が1時間以上かかります。

フランジも錆で痩せてるので、新品のガスケット使用して組み付けても排気漏れしたりして、それを修正したりで、なんだかんだんで2時間コースのマフラー交換は少なくないんですよね。

DIYでマフラー交換したことある方は、マフラー交換の工賃に高いという人が多いですが、ぜひご自分でなさってください、どうなっても私知りませんよ。ボルト折ったりしてからならもっと工賃高いですよって言ってあげたい気分になります。

北国、雪国のマフラー交換は大変なんです。
ボルトナットが回らないんですから・・・。




2016年12月13日火曜日

アウディA4 オイル漏れ修理

2007年モデルのアウディA4のターボ付いてるモデルに乗ってるお客様が、車の下に結構なシミができるくらいオイル漏れするようになって、最寄りのガソリンスタンドで見てもらったらしいのですが、オイルエレメントから漏れてるとのこと。
適当にオイル交換ミス的な感じで言われたのでしょう。
毎回オイル交換は私がしてるので、オイルエレメントからオイル漏れてるって言うから見てくださいと電話。
前回のオイル交換は夏の終わりころにした記憶があり、オイルとオイルエレメントを交換しました。
通常、オイル交換したらドレンやオイルエレメントからオイル漏れがないか必ず確認しますよね。
そして、オイル交換ミスでオイル漏れだとしたら、オイル交換直後からオイル漏れし、そして数か月も走れないですよね。

確認すると、オイルで汚れすぎてて、どこから漏れてるのかわからないような状態だったので、洗い流します。

生きてると水に流したいことは多々ありますが、これは水じゃ流れません(笑)

ある程度オイルを洗い流しきれいにして、エンジンをかけて確認です。

オイルエレメントから漏れてないことはわかりました(笑)

オイルエレメントの奥、インマニの下からかなりの勢いで垂れてきます。


インマニ周辺にオイルが回ってるようなものがないので、覗き込みます。
鏡も使います。
オイルエレメントの上にオイルクーラーがあり、そのオイルクーラーについてるセンサーから漏れてました。
部品屋さんにイラストをFAXしてもらい確認したら、オイルプレッシャースイッチでした。



写真中央の黒いカプラーのものです。



少し手が入りづらいですが、色々な部品を外さなくても交換できます。
マッチョな腕の方は厳しいかもしれませんが・・・。

ついでにオイルとオイルエレメントも交換します。
カートリッジ式ですね。
ろ紙の部分だけ交換なので、燃えるゴミに出せてエコなのですが、手が汚れるので嫌いです(笑)




ケースをきれいにして、新しいエレメントをケースに入れて車に取り付けます。
この車のエレメント、芯の部分が少しきつめなので、エレメントを壊さないようにグイっと押し付けてねじ込みます。

オイル入れて、漏れ確認して、完了です。

作業時間よりも、漏れたオイルを洗い落としてる時間の方が長かったような気がしました。




90年代や80年代の車はよくオイル漏れでオイルプレッシャースイッチを交換した記憶がありますが、2000年後半の走行距離が多くない車のオイルプレッシャースイッチから漏れてくるとは意外でした。

2016年12月3日土曜日

マフラー製作して修理して

マフラー製作と修理をしました。
マフラー製作したのは10系のアルファード。
今までついてたマフラーがダメになったので、リニューアルというかリメイク的な感じですかね。

出口はもともとついてたものを切り落として使用し、フランジからタイコまでを新しくします。
製作途中の写真は撮ってません・・・(笑)




球面タイプのガスケットでスプリングを使用するタイプのフランジを通常のボルトナットを使用し、ダブルナットで固定する場合も多いようですが、今回はちゃんとスプリング使いました。

マフラーステーを付けるさじ加減で出口の位置を微調整しやすいので嫌いじゃないです。

ステーを仮止め溶接して位置を確認して本溶接したあとに車に装着するのはいつもドキドキします。
溶接による歪みを考慮して溶接するほどの経験値はないので・・・。




位置はばっちりでした。

音も静かでいい感じでした。

次はバイクのマフラーの修理です。
北海道は冬にバイクに乗るのは郵便配達の方々くらいなので、春までと長い納期をいただいてましたが、TIG溶接をしたついでに溶接しちゃいました。


リベットで止まってるカーボンのケースを外します。
バイクのマフラーってこんなんで排気漏れしないんですね・・・。


なんか嫌な予感します。


芯のパンチングパイプも折れてました。

ちゃんと修理するならパンチングパイプを交換ですが、見えないところはそのままでいいとのこと。
カーボンのケースの強度が気になるところですが、気にせず溶接します。

終了です

今までもステン溶接の時はガスレンズを使用してましたが、最近、大口径のガスレンズを導入しました。


ガスのシールドの範囲が広くていいですね!