去年の2月に車検で入庫でマフラー修理したランクル70、また排気漏れで音がうるさいからとのことで修理依頼をいただきました。
LJ71、エンジンが2.4ℓの2Lのターボのショートです。
https://car-maintenance-days.blogspot.jp/2017/02/70.html
前回修理時には大丈夫だったタイコ(消音器)からの排気漏れ。
新品の純正マフラーは生産廃止で手に入らないので修理したのですが、今回もダメ元で確認したらやはり生産廃止のままでした。
溶接修理しても、またすぐに他から排気漏れしそうなサビ具合、どうするのがいいのか、予算との兼ね合いもあるので、何パターンか提案するのに調べました。
スポーツマフラーへ交換。
調べるも70ランクルショートはマフラーのラインナップなし。
ロングならラインナップしてるメーカーが数社ありました。
音量を大きくしたくわけじゃないので、フジツボでしょうか?
ロング用を短縮加工して取り付け。
22万円するマフラーを加工するのは費用対効果的に現実的じゃないですよね。
却下です。
ワンオフでマフラー製作。
オールステンで製作して、音量は排気漏れマフラーよりは抑えれると思いますが、音質が太くなるため静かになるように製作しても音量のわりにうるさく感じるかもしれないけど、10万円オーバーは確実ですと提案。
耐久性無視で溶接修理。
これが一番安く済みますが、数ヶ月後には別な箇所からまた排気漏れのリスクありますと提案。
そして、最後にリスキーな提案をしました。
まだ部品供給があるKZJ71の純正マフラーを取り寄せて、加工取り付け。
ググっても誰もやったことがないのでどれくらいの加工になるかわかりませんが、同じフレームなので大幅に取り回しなどが違うことはないと思うので、取り付けできないことはなくワンオフで製作するよりも費用も音量も抑えられると提案。
結局、KZJ71、3ℓターボの1KZエンジンのマフラーを取り寄せて加工取り付けすることにしました。
LJ71のマフラーを取り外すには、プロペラシャフトやラテラルロッドなどを外さないと抜けないので、どうせ使わないしタイコの後ろを切り落として外しました。
外したマフラーとKZJ71のマフラーと並べて比べます。
排気量が違うせいか、タイコの大きさが全然違いますね。
取り回しと、マウントの位置は問題なさそうなので、合わせてみますが、フランジの角度が違う気がしました。
合わせたら、フランジの位置は同じで角度が違いました。
微妙ですね。
位置同じなら角度も同じにすればいいのにって思いました。
フランジを切り落として角度を変えて溶接します。
半自動溶接でバチバチッと済ませようと思ったのですが、半自動溶接でちゃんと溶け込ませて穴を開けずに裏波出せる自信がなかったので、TIG溶接にしました。
裏はあまり綺麗なビードではないですが、ちゃんと溶け込んで強度は保てた溶接ができました。
何事もなかったように違和感なく取り付けできました。
純正マフラーなので、静かに仕上がりました。
ただ、気になったのが、この補強ステーの溶接。
新人が溶接したのかもしれないけど、下手すぎて、よくこれで製品として出荷したなって思いました(笑)
古い車でマフラーが生産廃止になってても、マイナーチェンジ後のマフラーを加工して取り付けるとか、同系列の車種のマフラーを選択するとか選択肢としてありだと再確認でした。
ディーラーや一般的な修理工場は「合わないので無理です」って回答しかされないと思います。
やったことがないから合うかわからない、データがない、前例がない、合わなくても部品代は頂きます。
リスクマネージメント的には正解かもしれないですが、メカニックの応用技術のなさも原因かもしれないですね。
今回は、この車が使命を全うして廃車になるまでマフラーは大丈夫な気がしてお客さまは満足していただけました。